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顔面神経麻痺

形成外科|顔面神経麻痺|淀屋橋・肥後橋近くの【くすもと形成外科クリニック】

顔面神経麻痺

顔面神経麻痺 

一般に片側性で起こります。顔の半分が思うように動かない、重く感じる、眼が閉じれない、口から食べ物や飲み物が垂れるなどの症状が残ります。このような状態では、人に会いたくなくなります。

顔面神経麻痺を生じたときに早期の適切な治療は重要です。

加えて、後遺症として残った症状に対して、改善を目指した治療を適切に行うことも重要です。

 

原因

顔面神経麻痺は、脳神経の中枢性とその他の末梢性の原因により生じます。

まずは原因を明らかにすることが重要で、腫瘍や脳血管障害などによる中枢性の場合は、その原因に対する治療が優先されます。大半は末梢性です。

以下に代表的な原因を挙げます。

・ウイルス性(ベル麻痺、ラムゼイハント症候群(帯状疱疹ウイルス)など):抗ウイルス薬やステロイドホルモン剤の点滴で治療

・腫瘍性:腫瘍に対する治療

・炎症性:中耳炎などに対する治療

・外傷:神経断裂で接合可能な場合は、吻合術

 

症状

典型的には、顔の半分の麻痺を生じ、同じ側の眉毛の下垂、口角の下垂を生じます。

さらに額のシワが寄らない、眉毛が下がる、眼が閉じられない、ほうれい線が浅くなる(長期経過すると深くなる)、頬が垂れるなどの症状が加わることがあります。一部の症状だけが残ることもあります。

初期治療や、自然の回復力によって改善することがありますが、最も多い原因であるウイルス性で顔面神経麻痺を来した場合は、おおよそ半数に後遺症を残します。

 

顔面神経麻痺の後遺症としては、

・眉毛やまぶたが下がり、眼をとじることができなくなり(兎眼)、目が乾く(ドライアイ症状)

・口もとが下がり、食べ物や飲み物、うがいの水が口からこぼれる

・顔が非対称になり、特にまぶたと口もとの変形が目立つ

・顔が重く、思うように動かないように感じる

 

これらの症状に対して、改善を目指した治療を行います。

 

治療

麻痺の範囲によって治療が異なります。特に顔面全体の麻痺の場合は、麻痺の程度を適切に診断して、手術の順番などを考えることがとても重要です。

動的再建術

神経移植、神経吻合術、側頭筋移行など、他の部位から神経や筋を移植・移行する方法です。

発症から時間が経過している場合や先天性の場合など、状態によって機能回復が難しく、思うような動きを再現できないこともあります。

静的再建術

より確実な改善を望める術式ですが、代表的には下記の方法があります。

麻痺の範囲や状態によって、複数の手術を選択して順番や組み合わせ、治療範囲などを決める必要があります。

・口もとから頬を引き上げる方法

・大腿筋膜を使って口もとから頬を引き上げる方法

・眉毛とまぶたを挙上する方法

・まぶたを引き上げた後の形成する方法

 詳しい術式は、診察時にご説明します。

手術後の経過

手術の方法にもよりますが、手術の2日後ごろに最も腫れがみられ、以後徐々に腫れは引いていきます。抜糸は、術後1週から10日に行います。上述のように、手術の順番や組み合わせが

長期的に経過を診ていく必要があります。