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やけど/やけどのあと

形成外科|やけど/やけどのあと|大阪市の形成外科・美容外科・美容皮膚科|くすもと形成外科クリニック

やけど/やけどあと

やけど(熱傷)(化学熱傷や凍傷を含む)

1:新しいやけど(新鮮熱傷)

熱いものや液体が触れたり化学薬品による皮膚の損傷を「やけど」として扱います。

受傷すると水や流水、氷(冷やしすぎないこと)で、患部を30分程度冷やしてください。

冷やすことで、炎症性物質を少なくして、痛みを少なくして、症状を軽くします。

 〈重傷度〉熱傷は深さと広さ、部位によって重傷度が異なります。(付図参照)

顔、手、外陰部は重傷部位として扱います。

以下に、やけどの深さ、症状、治療について述べます。

I度熱傷:表皮のレベルのやけど

  通常、赤みとヒリヒリ感を生じます。

  軟膏治療が主で、治療をおこないます。

  一般に、キズ跡は残りません。

II度熱傷:表皮から真皮に至るやけど

・浅いII度(浅達性2度熱傷):真皮の中層までのやけど

  水疱を生じますが、可能な範囲で温存します。

  皮膚が早期にはるように、創傷被覆材や軟膏、スプレーなどを使用して治療します。

  一般に、ほとんどキズ跡は残りません。

・深いII度(深達性2度熱傷):真皮の中層から全層までのやけど

  水疱を生じますが、破れることが多いです。

  水疱が破れたところは、痛みが強いために、創傷被覆材を張って治すことが多いです。

 顔面、頸部、手、外陰部などでは、植皮手術を行うこともあります。

 一般に、キズ跡が残ります。

 感染を生じたり治癒に時間がかかる場合は、肥厚性瘢痕(赤く盛り上がったキズ跡)になることもあります。

III度熱傷:真皮の全層を越して皮下脂肪層に至るやけど

 皮膚の全部が熱刺激で壊死に陥ったり、(焼痂)皮下脂肪層や筋肉まで損傷を受けます。

 多くの場合、熱による損傷組織を適切に除去するデブリドマンが必要になります。

 狭い場合は縫い縮めますが、広い場合は植皮などの手術が必要になることが多いです。

2:やけど後の長びく潰瘍(熱傷潰瘍)

やけどが深くまで損傷したり、治る途中に感染を生じたりすると、皮膚がはらず、長期にやけど(熱傷)の潰瘍として治療が長引く場合があります。

皮膚がはることを薬で促したり、植皮をするなど状態に応じて様々な対応ができますので、ご相談ください。

3:やけどのキズ跡や引きつれ(熱傷後瘢痕、瘢痕拘縮)

やけど(熱傷)の後、赤く盛り上がったキズ跡や色素沈着を残したりや皮膚自体や関節部分の引きつれを生じるなど様々な状態になることがあります。

痒みに対しての薬での治療や色素沈着を薄くしたりや手術で目立つキズ跡の切除や引きつれを伸ばすなど、

多様な治療法がありますので、ご相談ください。 

 

付図:日本熱傷学会 熱傷用語集2015年版 熱傷用語集改訂検討特別委員会編集委員長 楠本健司 より引用